図1.筋収縮の滑り説。左下が電子顕微鏡写真(H. E. Huxleyによる)、その右は説明図。筋肉の中には太い線維(ミオシン分子よりなるthick filament)と細い線維(アクチン分子よりなるthin filament)がある。筋肉の収縮は、両線維がそれぞれの長さをかえることなく、互いの間に滑り込むことにより起きる。収縮前(上)と収縮後(下)の 電子顕微鏡写真を比べると、太い線維の長さが変わらないことがよく分かる。
図3.ミオシンの一種であるミオシンV(ファイブ)が、2本足を振り回しながらアクチン線維の 上を“歩く”かのように見える電子顕微鏡写真(P. J. Knightらによる)。連続写真ではなく、適当に選んだ写真をそれらしく並べたもの。2番目の写真など、2本の足が前方に折れ曲がり、スキーのテレマー ク姿勢のように見える。真珠のネックレスをひねったようならせん構造を持つアクチン線維は、単なる足場ではなく、アクチンが主役となってミオシンを動かす のだという説もないわけではない。